コインの約束
送ってくれるのは駅までで大丈夫だよ、って言ってるのに、言うことを聞いてくれない、和真。
結局うちの前まで送ってくれて。
「ここが芽衣の家なのか。うん、覚えた。何かあったらいつでも来るから」
「何もなかったら、来ないの?」
「えっ?・・・。芽衣、誘ってんの?」
「ち、違うよ。そういう意味じゃなくてさ。いつでも会いたいって思うじゃん」
「芽衣!素直だな。やっと俺のこと気にしてくれたの?」
「うん、和真のこと気になってるよ?」
「じゃ、もう俺から離れるなよ」
そう言って和真はフワッと私を抱き寄せて、
「もう、どこにも行くな」
和真は切なそうにそう呟いた。