コインの約束

私と湊は最初こそバスケの練習を観ていたけれど、だんだん湊が飽きてきてしまって、私にちょっかいを出してきた。

「芽衣、ホラ!」

そう言って落ちていたごみを投げつけてきた。
最初は無視していたけど、しつこく投げてくるから

「ふざけんな、湊!おらぁー」

なんていつものノリで湊のTシャツの背中に2倍のゴミを押し込んだ。

「うおー!俺の背中にダニが付いた!!俺の肌、ナイーブなのに。肌荒れしたら、芽衣のせいだかんな」

「湊の肌はハガネだよね?ゴツゴツの」

「なんだとー!なら、俺の柔肌を見せてやる!いでよ、俺の肌!」

そう言って湊が来ていたTシャツを脱いだ。

「キャー、湊!脱ぐな!見せるなーー!」

逃げる私、追ってくる湊。

体育館の2階は二人の運動会になっていた。

そして、再度バスケ部から注目された。

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