コインの約束
「ごめん、芽衣。言い過ぎた。けど、その傷はさ、一生涯に俺だけにしか見せないよな?今までも、これからも。だったらその傷は俺だけが知っている芽衣だろ。俺、それってすげー嬉しいけど。芽衣と俺だけ。絶対に他の男には見せんなよ」
私は涙で声が出せないから頷いて返事をした。
「もう、そのことで悩むのは今日で終わりにして。ね、芽衣」
私は何度も頷いた。
「ありがとう、和真」
和真は私の涙を何度も何度も拭ってくれて。
もう観覧車は地上に着くというのに、泣いている私の目に、頬に、口に優しくキスをしてくれた。