コインの約束
そして、その湊。
朝からすごいハイテンションで。
彼女の凛ちゃんは一つ学年が下だからこの旅行にはいないのに。
なにがここまで湊をハイテンションにしているんだろう?
新幹線に乗った時、隣の席の湊にそのハイテンションはどこから来るのか、そっと聞いてみた。
けど、聞いて後悔した。
「芽衣、内緒だぞ。誰にも言うなよ。約束な」
「分かったよ、しつこいな。なにがあったのよ、そのハイテンション」
「俺さ、昨日さ、凛とさ・・・・うははははっ」
「何が言いたいの?湊?」
「ばっか、これ以上言わせんなよ。芽衣だって分かるだろ。付き合ってたらそうなるだろ」
「えっ?もしかして?昨日、シタの?」
「ばっ!ばか芽衣!そんなハッキリ言うなよな。俺、恥ずかしいだろ」
うわ!聞かなきゃよかった。こっちまで恥ずかしくなるわ。
自分では気づかなかったけど、私の顔が尋常じゃなく赤くなっていたみたいで、
「ん?芽衣、なに赤くなってんの?えっ?芽衣?芽衣ってもしかして・・・まだなの?」
「うるさい!私のことは放っといて」