丸重城の人々~後編~

【旅行・女子二人】

そしてプールを上がり、今は女二人で外を散歩している。
響子「災難だったわね?」
柚希「うん…でも、中也くんわざとじゃないし…」
響子「まぁね…」

柚希「綺麗な景色だね~」
響子「そうね…さすが、将大ね」
柚希「うん…
響ちゃん、今…幸せ?」
響子「うん、もちろん!」
柚希「よかった」
響子「え?柚希は?幸せじゃないの?」
柚希「時々ね…不安になるの。
私のせいで、大翔に色んなこと我慢させてるでしょ?」
響子「それは、大に聞かないと……
大はさ、今のままでいいと思ってるわよ、きっと……」
柚希「え?」
響子「もちろん、柚希が病気を克服する事も大事だけど、ある意味このままがいいんじゃないかな?
柚希が大に甘えるから。
頼ってほしいのよ、男って!」
響子が、柚希の頭をポンポンと撫でた。

柚希「そうかなぁ?」
響子「そうよ!」

響子「ねぇ…もう少し、奥に行ってみない?」
柚希「うん、でも…大丈夫かな?迷ったりしないかな?」
響子「この辺なら、大丈夫よ。来たことあるから!」
柚希「あ、そうか!将大さんとよく行ってたんだよね?」
響子「あれ?こんなとこにコテージがある」
柚希「ほんとだ!ここも将大さんの別荘?
綺麗な家だね~」
響子「うーん、どうだろ?見たことないなぁ」

すると、中から人が出てきた。
尚生「あれ~?響子ママ?」
響子「え?尚生だ!こんなとこでどうしたの?」
尚生「ここ俺の別荘なの。仲間と来てんだよ!」
響子「尚生の別荘だったんだぁ」
柚希「響ちゃん、誰?」
柚希が響子の服を握りながら、言った。

響子「あー玄のクラブのNo.1ホスト。
ほら、玄は経営に専念することになったでしょ?」
柚希「玄さんの…!」

尚生「ママ、この子誰?」
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