丸重城の人々~後編~

【柚希のワガママ】

中也「柚希!お待たせ~」
柚希「中也くん!
じゃあ…お先に失礼します!」
三島・サク「お疲れ様!」
篤子「お疲れ様~!気をつけてね!」
響子のクラブのバイトの日だった本日。
作業が終わり、中也が向かえに来てくれたのだ。

中也「ねぇ、たまにはちょっと寄り道して帰ろ?」
柚希「うん!じゃあ、なんかお茶する?
奢るよ!」
中也「え?いいよ!俺だって金持ってんだから、俺が奢りたい!」
柚希「でも…やっと中也くん、仕事始めたばかりでしょ?」
中也「そうだけど、いいの!
柚希の前では、カッコつけたい!」
柚希「わかった!じゃあ、ご馳走になります!」
最近、中也は宗一郎の仕事を手伝うようになった。

宗一郎が丸重城に来たのには二つ理由があり、一つは柚希が狙われていたこと。
もう一つが、中也に仕事を教えることだった。
将来は中也に会社を継がせたいと思っていたらしく、成人した今、行動を起こしに来たのだ。

大翔のカフェに向かおうということになり、ゆっくり歩く。
柚希「中也くん、忙しくなるね!」
中也「でも殆ど見てるだけみたいなもんだし!
張り合いがないんだよなぁ」
柚希「お迎え、無理な時は言ってね!」
中也「う~ん。でも、俺が送り迎えしたいから!」
柚希「でも無理させたくない!」
中也「俺は、少しでも柚希といたい!」

柚希「中也くん……」
中也「だから、そんなこと言わないでよ!
てか、いつも通り甘える約束だろ?」
柚希「うん、そうだね」
< 202 / 228 >

この作品をシェア

pagetop