丸重城の人々~後編~
柚希「え?玄さんのことかな?」

政喜「将大がね、言ってたんだ。
今の柚希の背中には、旦那も入れて三人の毒蜘蛛がついてるって!」
柚希「毒蜘蛛って…まぁ、確かにそうだけど……
病気のことがあるから、みんな守ってくれるの。
響ちゃんや将大さんも!」
政喜「そっか!」

柚希「あ!家来る?もうすぐみんな帰ってくるよ!」
政喜「いいの?」

大中兄弟「はぁぁ?ダメだ!!」

柚希「え?」
大翔「勝手に決めんな!」
中也「そうだよ、柚希。
なんか嫌な匂いがする、コイツ」
柚希「いいでしょ!?行こ!政喜くん」

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響子「久しぶりね、政喜」
政喜「あぁ!元気そうじゃん!」
響子「うん、お陰様で!」
柚希「なんか、懐かしいね~!」
懐かしさから三人で、きゃっきゃ言って話している。

将大「おい、政喜!必要以上に、響子に近づくな!」
大翔「柚にもだ!!」
中也「てか、帰れよ!!」

玄「でも姫があんなに心許してるのは、意外…!」
響子「そりぁ、私の元・旦那だからね!
ずっと三人で住んでたし!」

男達「はぁぁ?」
響子「当たり前でしょ?柚希を一人にできるわけないじゃん!その時にはもう、病気だったんだから!
だからって、忠司は実家だったし!」
大翔「マジか!?」
中也「柚希、なんかされなかった?」
玄「そうだよ、姫!寝込みを襲われたり……」

柚希「そんなわけないでしょ?
響ちゃんの旦那さんなんだよ!
私のことなんか……それに、私は忠司くんとお付き合いしてたし!」

大翔「柚!わかってねぇよ!」
中也「わかってねぇな…!」
玄「ほんと、姫って……鈍感だよね……」
将大「そこが可愛いとこだけどね!」

政喜「フフ…ほんと……!わかってないよね!柚希」
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