運命なんて信じない
30分ほど墓前で過ごした。

今の遥にどこまで理解できているのかは分からない。
でもけじめとして、私たちは毎年ここに来ている。

「琴子、俺たち先に車に戻ってるから」
賢介さんが声をかけた。

「うん。ありがとう」
私はもう一度線香を立て、しゃがんで手を合わせる。

目の前に眠るのは、私の親友。
立花麗。
誰よりも強くて、誰よりも綺麗な人。

「麗・・・」

なぜ、死んでしまったの?
まだまだ、一緒にいたかったのに・・・
私は、ボロボロと泣いた。
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