運命なんて信じない

賢介×琴子

「お客さん。お客さん」
声をかけられ、肩を叩かれた。

んんん?
麗は・・・夢?

かなりお酒の回った頭を起こして、目を開けると、

「えっ?」
目の前に駅員さん顔があった。

「大丈夫ですか?」
心配そうにこちらを見ている。

「ええ。あの・・・大丈夫です」
と答えてはみたものの、

ヤバイ。
電車で寝ちゃったんだ。

「ここは?」

「終点です」

終点ってことは・・・
私はポケットから携帯を取りだした。

午前0時15分。

ヤバイ。ヤバイヤバイ。

「お客さん。カバンは?」
駅員さんの声。

えええ?
そういえば・・・ない。
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