不良男子と私の話。
妊娠してからの湊の優しさは身に染みる。
最近は、『ありがとう』ばっかり。
湊は「はいよ」ばっかり。
これが当たり前の生活にならないように、気を引き締めよう…何て、思う。
湊の子どもがお腹にいても、湊が隣にいてくれても、たまに不安になる事がある。
いつか離れていきそうな気しかしない。
気を抜いたら、ダメになりそうな気がする。
ただの女の勘っていうやつ…
口には出さないけど、不安だらけです。
好きなゆえな悩みで、惚気てるの?って思われそうだけど…意外と真剣なやつ。
けど、私の進路について話している時に湊に言われた事に気付かされた事がある。
『湊も高校行って欲しい』
「ちびぞうがいなくても、俺は働く気だったから説得されても無理だな」
『何でよ』
「早く自立したい」
『一緒に行きたかった』
「確かにな。紗良が他の男に目移りしないように見張ってたかったな」
と、
鼻で笑った湊。