一つの指輪で江戸時代にトリップと思ったら変な能力持ってました!?
2、ここはどこ?


両親が亡くなって数日が経ったある日。とある1つの家で莉音は両親の遺品を整理していた。

「えっと…これは捨てる。こっちは残す…でしょ…」

一人呟きながら何時間も両親が残した遺品と向き合っていた。

(お母さん…お父さん…)

涙が出そうになるのを必死に堪え残り少しとなった遺品に手を伸ばそうとする。

「あれ?この箱…」

見たことの無い箱に少し驚き、自然と手を伸ばしてその箱を取ってみる。

「こんなのあったけ?」

そう呟きながら自然と箱に手をかけ開けようとして。

「え?指輪…?とても綺麗…」

中から出てきたのは小さなダイヤモンドの付いた指輪だった。

(でもこんな指輪1度も見た事ない…)

しばらくその指輪に見とれていると突然指輪が光出し思わず莉音は目をつぶった。

ふと空に浮くような浮遊感を感じて目を開けてみると。

「えぇぇぇぇ!?落ちてるぅぅぅ!?」

空から地面へと落ちていこうとしていたのだった。

(え!?なんで!?私さっきまで部屋にいて指輪見てたよね?なんで空に!?てか落ちる!?)

莉音は焦るが地面へと落ちていってる状況が変わる訳もなくそのまま落ちていったのだった。

(死んじゃう!?私…ヤダっ…)

思わず目をつぶると草のあるところに落ちたのかそんなに痛みはなかった。

(た、助かった…ん?何か辺りが騒がしいような…)

ゆっくり目を開け辺りを見回すとそこは戦いの真っ最中のど真ん中だった。

思わず莉音は目を瞬きさせ口をポカーンと開けて混乱していた。

(え!?何この状況。どうなってるの!?)

「おい」

「え?は、はい!」

急に声をかけられ驚いたのかえ?と言ってしまうが何とか声を振り絞り返事をして。

「お前何者だ?」

「何者…って…言われ…ても…」

相手の威圧が凄く怖いのか声を出すのがやっとのようで。

「まぁいい殺せ」

「御意!」

相手の言葉に周りの人達は返事をして莉音に刀を向けて今にも殺しそうな勢いだった。

(こ、殺される!?)

「っ…!?」

(に、逃げなきゃ…)

逃げようと思うのに恐怖で足が動かず地面に座り込んでしまい覚悟を決め目をつぶり。

「うわぁぁ!?」

「ぎゃぁぁ!?」

しばらく目をつぶっていると男の人達の叫び声が聞こえ、思わず目を開けると底には血を出して倒れた人達が周りにいて。

「っ!?」

(だ、誰がこんなことっ…)

状況に追い付けず混乱していると後ろから声をかけられ。

「おいっ!死にたくなかったら捕まれ!」

莉音は声をかけられた方を振り返り馬に乗った人を見上げると…。

「だ、誰ですか?」

「いいからっ!死ぬぞ!?」

手を出され反射的に手を掴むと勢いよく引っ張られ馬の上に乗せられそのまま行先も分からないまま連れていかれた。

(ど、どうしよう。反射的に手を掴んじゃったけど殺されるんじゃ…)

莉音は一人馬に乗せられながら恐怖で青ざめていたのだった。
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