【コミカライズ】黒騎士様から全力で溺愛されていますが、すごもり聖女は今日も引きこもりたい!

22 愛あるキスは傷あとのうえに

 ノアに抱きかかえられて無人の小部屋に入ったルルは、艶やかな織物が張られたソファに下ろされた。

 ここは、ルルーティカ王女の控え室として宛がわれた一室だ。
 ガレアクトラ流なのか、壁には赤いフラッグがかかり、チェストやテーブルといった家具はどれも豪奢で、クリスタル製のシャンデリアがつられている。

 ギラギラした雰囲気のせいで、ちっとも落ち着けない。早々に持ってきたいつもの毛布に包まると、やっとまともに息が吸えた気がした。

「ルルーティカ様はここで休んでいてください。私は、雇いの騎士を集めて客車の準備をして来ますので」
「待って、ノア」

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