【コミカライズ】黒騎士様から全力で溺愛されていますが、すごもり聖女は今日も引きこもりたい!
 白状するノアの顔は赤い。クールで、ともすれば無表情な彼に照れられると、ルルまで恥ずかしくなってくる。

「褒めてくれてありがとう。でもこれ、ドレスが綺麗なだけよ。馬子にも衣装っていうでしょう。いつものわたしを思い出して?」

 ルルは、昼夜問わずにネグリジェを愛用している。
 日常着のワンピースも届いていたが、ごろごろするには窮屈《きゅうくつ》だし、お昼寝のたびに着替えるのも億劫《おっくう》で、結局いつもの服に落ちついてしまうのだ。

「それにしても、本当に婚礼衣装が必要になるだなんて思ってもみなかった。ノアが無理やり店に連れて行ってくれなかったら、今ごろ困っていたわ」
「着せ替え人形になった甲斐がありましたね」

 ノアは、リボンボックスから取り出したベールをルルーティカの頭に被せて、その上から小ぶりなティアラをさし込んで固定した。

「今のルルーティカ様は、誰が見てもご立派な聖教国フィロソフィーの第一王女殿下です」
「そう? わたしは、ちょっと物足りない気がする」

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