君がくれた青空
一章 光の光
愛情と友情を天秤にかけるなら?

神様はそんな選択させない。
そう思いたいところだ。
どっちも捨てがたい。
選ぶなんて
そんなことは許されない。
けれどもし、かけなければ
いけなくなってしまったとするならきっと


私は友情を選ぶだろう。


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こんな世界生きづらくてどこかへ
飛んでいってしまいたい。
私は毎日そんなことを思っていた。

大人が決めた道ばかり正しいと思って。
いゃ、間違っていると思っても
勇気が出せなくて言えなかった。

もし、並行世界が本当にあるならば
その世界の私には思う存分の自由を
もったいきてほしいと願う。
誰かの決めたレールなんて走らず
自分の心に正直にいてほしい。
そんなことを思いながら今日も
片道1時間半の電車に揺られて学校へ行く。

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私は幼い頃、病弱だった。
風邪をひけば決まって高熱を出して
家族を困らせた。
タイルの上でひっくり返って病院に
運ばれたこともあれば、
犬と散歩に行って交通事故に
遭いかけたことだってある。
何より、喘息の発作がひどくて
同じ年頃の子と外で遊ぶことなんて
出来たものじゃなかった。

"喘息の発作が出るといけないから"
何をするにもいつも理由はこれ。
常に制限された世界。
少しでも不安定になると発作が出るから
過度なスポーツはできなかった。

そんな私は、幼馴染みが野球をしているところを
グラウンドの端っこで見ていた。
ニコニコ笑いながら、時に真剣な顔で
白球を追う姿は輝いていた。

晴れた青空の下。
その時間は私も一緒に楽しんでいるような
気分になれた。

グラウンドをかける幼馴染みの小さな背中に
照らされる太陽の光は、光り輝いて
そして、いつも優しく、いつも強かった。
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