オフィスの華(令和版）～若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係～

そんな折に突然親父から連絡があり、俺の社長就任が決まった。
親父の横暴な性格は昔から熟知していたが、今までで一番横暴な振る舞いだったかもしれない。

俺は急いで、仕事の引き継ぎをしていたが。
そのタイミングで親戚に不幸があり、急遽帰国しなければならない事態になった。

そのついでにそのまま日本に残り、社長に就けと言われる始末。

俺の社長就任が三週間早まってしまった。

ろくに引き継ぎも出来ず、俺はシンガポール支社の人間に後ろ髪を引かれる想いで帰国。

俺は親父の椅子に座る。

皮張りのリクライニング機能付きの上等な椅子。

俺は背中を預け、朝から溜息を付く。

「お疲れのようですね」

「・・・そりゃ色々と俺だって忙しい…」

「でも、これからもっと忙しくなりますよ…新社長」

「分かってる…それよりも後でお前の人選した俺の経理課の女の子を紹介してくれ」

「それは承知しております…各フロアをご案内する際に紹介いたします」