【完結】イケメンモデルの幼なじみと、秘密の同居生活、はじめました。
真実と告白
 北斗!?
 美波の心臓が、どくんっと跳ね上がった。
 すぐにわかったのだ。
 北斗が考えていたこととは、この放送なのだと。

『先日、トリッターで俺が勝手な書き込みをされた件は、学校のみんなが知っていると思います』

 北斗の声は落ち着いていた。
 放送のマイクとスピーカーを通しているのだから少し歪んでいる声だったけれど、確かに北斗だ。

『あのつぶやきは、俺に対して勝手なことを言うような、名誉棄損(めいよきそん)であるほかにも、立派な犯罪です。誰にも肖像権というものがあります。個人の写真を勝手にネットに上げてはいけないのはこれのためです。それに、俺はモデルなのでもっとそれが厳しくなっています』

 その場のみんな、美波に言いがかりをつけにきた女子たちも含めて、スピーカーを見上げてそれに聞き入っていた。
 きっと学校中のひとたちがそうだっただろう。

『俺が警察に届ければ、つぶやきを発信した犯人は捕まります』

 北斗の声は静かだったけれど、その場の空気を一気に凍り付かせた。
 犯人がこの中にいるのだろうか、という空気も一緒に湧き起こった。
 美波はスピーカーを見上げて、ただそれを聞きながら、いつの間にか、ブラウスの胸元をぎゅっと握っていた。

『でもそれはしません。代わりに犯人に謝ってもらいます。トリッター、今、見られるひとは見てみてください。俺のアカウントです』
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