元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「……だめでしょう、そんなこと」

「ただ、私の子を産んでからにしてくれ。次代の魔王がいなければ大陸を統治する者がいなくなる。……王を失えば我々は惑う。人間にも影響が出かねない」

「そう……」

 シュクルにしてはずいぶんわかりやすい言い方だった。

 何度も質問せずに済むのはありがたいが、なんとなく奇妙な気分になる。

「……ああ、そうだわ」

 シュクルの言葉で、まだ解決していなかったことがあるのを思い出した。

「以前聞いたわよね。どうして人間としか子供を作れないのかって。あのときは結局ちゃんと答えをもらえていなかったと思うの。今……教えてくれる?」

「ふむ?」

< 161 / 484 >

この作品をシェア

pagetop