クールなきみと、甘くない秘密。



わたしもこのクラスでよかったなって思う。

中学生ってもっといろいろ厳しくなるんだと思っていたから。



――ガタッ



「おい、どうした?」

「…………」

夏目(なつめ)。どこに行くんだ」

「……別に」


ホームルーム中なのに、いきなり音を立てて立ち上がったのは夏目凌久(りく)くん。

そして、ドアに向かって歩き出す。



「おい、夏目!」

「……トイレ」

「わかった。ちゃんと戻って来いよ」



先生の言葉を途中に、教室を出て行ってしまった。


夏目くんはいい意味でも悪い意味でもすごく目立つ。




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