クールなきみと、甘くない秘密。
「ねーね、なんで図書室にいるの?知り合いなら保健室でもいいんじゃないの?」
「……特に理由はない」
「そうなの?じゃあ、保健室でもよくない?」
「でも、ここでもいいだろ。あ、ちなみにいまので2つだから」
「うそ!」
「ほんと」
うぅ……ずるいよ。
たしかに質問しちゃったけどさ。
夏目くんと図書室で会うようになってから1週間たった。
わたしと夏目くんはクラスメイトだけど秘密の共有者。
いまもこうして、みんなに気づかれないように図書室に来た。
夏目くんの気持ちも、わたしたちが図書室で会って恋バナをする関係なのも、みんなには秘密。
……ただ一方的に質問しているだけだけど。
わたしは恋バナだと思ってるよ。
「あーもったいないことした」
「よく飽きないな」
「飽きないよ。楽しい!」
クールで感情が薄いと思っていた夏目くんのことを知れるのは楽しい。