クールなきみと、甘くない秘密。




「ねーね、なんで図書室にいるの?知り合いなら保健室でもいいんじゃないの?」

「……特に理由はない」

「そうなの?じゃあ、保健室でもよくない?」

「でも、ここでもいいだろ。あ、ちなみにいまので2つだから」

「うそ!」

「ほんと」



うぅ……ずるいよ。

たしかに質問しちゃったけどさ。


夏目くんと図書室で会うようになってから1週間たった。


わたしと夏目くんはクラスメイトだけど秘密の共有者。

いまもこうして、みんなに気づかれないように図書室に来た。


夏目くんの気持ちも、わたしたちが図書室で会って恋バナをする関係なのも、みんなには秘密。


……ただ一方的に質問しているだけだけど。

わたしは恋バナだと思ってるよ。



「あーもったいないことした」

「よく飽きないな」

「飽きないよ。楽しい!」



クールで感情が薄いと思っていた夏目くんのことを知れるのは楽しい。




< 54 / 150 >

この作品をシェア

pagetop