羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】


 文句を言おうと先輩を見ると、先輩は私の耳元に唇をよせて、

「言ったよね。俺は、みゆのことは絶対に離さない。それでも、もし、みゆが俺から離れようとするなら、みゆの意見なんて全部無視して、結婚も、子どもも、こっちのペースで無理やり進めるよ」

とはっきりと低い声で告げた。どきりと心臓の音が鳴る。

(先輩、なんか怒ってる……?)


「何言って……」
「自分でも分かってる。みゆのことになると、俺はまた周りとか、そういうの全部どうでもよくなっちゃうんだよ」

 その声に泣きそうになった。そんなこと言われても困る。
 固まっていると、先輩はそのまま私を抱きしめる。そして耳元で笑った。

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