羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】

 酷いくせに時々急に甘くなるところは大嫌いだ。でも、そうされているとやけに頭がクリアになってきた。


 先輩を避けたのは、聞きたくなかったからだ。
 昨日遅くなった理由。先輩と春野さんのこと……。だから朝も先輩を避けようとした。ただそれだけだ。

 目の前の先輩を見ると、先輩は私の目を無言でじっと見つめていた。この男はそれも全部言わないと絶対許してくれない。そんな気がした。


 私は唇を噛むと、
「……き、昨日!」
と叫んで先輩を見る。先輩は、昨日が? なに? と私に問うた。


「は、……春野さんと何してて遅くなったの?」


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