羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】

 しかし、こちらの緊張とは裏腹に、出迎えてくれたのは、先輩に目元がよく似ている60代前半くらいの男性だった。
 似てる……。どうやら、先輩は父親に似たようだ。それを見て、少しほっとしている自分がいた。

 社長は立ち上がると、
「すみません、直接こちらからうかがうべきところを」
と頭を下げ、「私は、健人の父の鳳信人です」と手を差し出した。

 私が、
「総務部、柊みゆと申します」
とその手を握ると、社長は微笑む。

「健人とは高校時代からのお知り合いだそうですね?」
「……あ、はい」

 おかけください、と応接椅子に座らされた。座ってみると、社長室の椅子はふかふかすぎて落ち着かなかった。しかも目の前には先輩の父で、社長。

―――一体、何だこの状況は……。

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