羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】


 そんな私を知ってか知らずか、先輩は私の唇を撫でた。

「みゆ、うちおいで。みゆが足りなかった」
「……今日は、そういうこと、できないですよ……」

 実は今日は、そういうことができない日だ。そう言うと、先輩は、

「それだけが理由で一緒にいたいって言ってるわけじゃないよ」
そう言ってクスリと笑う。「まぁ、したいのは確かだけど」


(素直すぎやしませんか……?)

 私は言葉につまった。こんなこともすべて、先輩はいつもまっすぐで……。

「ただ、一緒にいたいんだよ」
「……」
「あ、お腹痛くない? 温めるもの、うちにあったかなぁ。なかったら困るから買って行こうか」

 先輩はそんなことを言って歩き出す。先輩って、なんでいつもこんなに優しいんだろう。
 私だって、こうやって、ゆっくり普通に、先輩と過ごす時間が好き……。

 結婚とか、子どもとか、そういうこと『抜き』に。


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