羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】

 それから父は話し出す。

「今ね、ある事件の捜査をしてて」
「生活安全課の? 特殊詐欺とか?」

 私が言うと、父は慌てた様子で、
「えっと、そう、かな?」
と言った。

 私はその様子に眉を寄せる。

「それで? どうされたんですか?」
 促すように先輩が言うと、父は続けた。

「それでね、ちょこーっと事情があってね。今、うちにみゆを一人で置いとくのが怖いんだ」

 できるだけ軽い様子で父は言ったが、どうにも軽い話とは思えなかった。


「……お父さんは?」
「僕は大丈夫だよ。これでも一応刑事だし。……でもみゆは違うでしょ」

 なんとも全貌が見えないだけに、腑に落ちない話だ。
 すると、羽柴先輩は、

「それなら、落ち着くまで、みゆさん、うちに住むのはどうですか」
と父に言った。

「えぇ……!」

(確かにもう少し離れたくないとは思ってたけど……)

 戸惑う私に、
「落ち着くまででいいから、そうしてもらえると僕も安心なんだけど」
と言う。

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