羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】


 食事が終わって一緒に食器を洗い終えると、先輩は待っていたように私を後ろから抱きしめる。そして首元に唇を埋めた。

「みゆ」
「や、お風呂入る」

 今日は仕事で外に行ったし、汗もかいた。

 ただ、そういうことを正直に言ったとき、この先輩は喜んで、お風呂なんて入んないでいいよ、そのままのみゆがいい、と言ってベッドに私を連れ込んだ過去があるので、私はその理由を告げないでお風呂に入ると言い張ることにしたのだ。



「そうだね、一緒に入るのもいいよね」
「いやぁ!」

 私が泣きそうになっているというのに、

「よし、行こう」

と言うと、半ば強引に先輩は私を抱きかかえるようにして、バスルームに連行した。


「何でそうなるの!」
「みゆ気付いてないの?」
「なにがっ!」

「みゆって、本当に嫌な時はわかるんだよ」
「はぁ⁉ 勝手に解釈しないでください!」

 暴れてみても、先輩は、はは、と笑うだけで、結局先輩のしたいように事は運んだ。

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