羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】


 昨日あのまま私は逃げ帰ってきた。

 それからベッドの中で朝まで悶々と考えていたのだ。

(先輩の言うことがもし本当だったとしたら、私、どうすればいいの⁉)

 先輩の言うとおり結婚なんてことにならないよね。……まさか。
 で、そうなったとしたら私と先輩がそういうことするってことで……。


「うわぁああああああああ!」

(今、リアルに想像してしまったぁあああああ!)
 だって、キスしたとき、先輩の手の熱が、唇の熱が、やけに熱くて……。
 あれからおかしい。先輩のこと、変だと言えないくらいに自分もおかしい。


「どうした、みゆ!」

 驚いた様子で父が私の部屋に入ってくる。
 私はベッドの上で、自分の髪をワシワシ掻いていた。

「お、お父さん……。ちょ、ちょっとヤな想像して」
「強盗でもはいったのかと思った」
「ごめん」
「このところずっと変だぞ」
「う……」

さすが私の父、そして刑事。娘の変化には人一倍鋭い。
まぁ、父でなくても分かるくらい、私はきっと、今、おかしい。

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