恋を忘れられない私。


「……はぁ〜」


5時間目は体育。今は昼休みで、教室で体操服に着替えている子がちらほら。

私も体育やりたかったな…。

見学なんてしていても楽しくない。今日は大好きなサッカーだったのに…。


「吉田」


名前を呼ばれ振り返ると、そこには体操服姿の箕田がいた。


「どうしたの?」


話しかけられた嬉しさを上手く隠しつつ、箕田の方を向く。


「今日、健康観察で喉が痛いって言ってたじゃん。…風邪?大丈夫?」


「っ……あー、うん。大丈夫。でも今日の体育は見学かも」


「そっか。ま、お前なら大丈夫だな!でもおかしいな…」

「…?なにが?」

「ほら、バカは風邪引かないっていうじゃん」


「…はあぁ!?バカってなによ!」

ドスッと箕田の肩を殴る。


でも、箕田も私も笑ってる。


楽しかった、本当に。


このまま友達が良い、恋人にはならない。


そう思ってたんだ。
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