まだ、青く。
白いポストが茜色に染まる頃に返事を出しに行き、帰りにコンビニでアイスを買ってコンビニから1番近い公園のベンチに座って食べた。

火照っていた体が徐々に冷えていき、

空は茜から藍に色を変えた。

白い月が私に訴えてくる。

そよそよと風に吹かれる木の葉が伝えてくる。

私という空っぽの存在に情報を入れ込んでくる。

私って、

何なんだろう。

私って、

何者なんだろう。

何を思ってここにいるの?

今何を考えているの?

今まで何を感じてきたの?


私って、

やっぱり、

空っぽだ。

空っぽの器みたい。


詰め込んだはずの想いが、

知ったはずの感情が、

抜け落ちていく。

まるでジェンガのように、

1つ1つ抜かれて、

ある時...倒れる。


風が痛い。

肌が熱い。

どうしてこんなに胸が苦しいんだろう。

どうしてこんなに胸が痛いんだろう。

どうして...ですか?


「凪くん...」


どうして?


こんな時に頭に浮かぶのはたった1人だけで、

胸がジリジリと焦がされて、

痛くて苦しくて、

燃えてしまいそう。

この感情に名前をつけるとしたら、

なんという名前ですか?


私はただ、知りたかったんです。

私はただ、聞きたかったんです。

声を聞きたかったんです。

ううん、

今だって、

聞きたいんです。

宙ぶらりんな私を繋ぎ止めてくれるような

魔法使いの言葉を。

耳元で聞きたいんです。
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