まだ、青く。
「ちょっと杉浦!何女子に絡んでんのよ?!キモいから離れなさい!」


た、助け船だ...

いや、船じゃない。

女神様だった。

女神様が私の元へと駆け寄り、杉浦と呼ばれたその男子を引き離してくださった。


「ごめんね。うちの杉浦兆(きざし)が大変ご迷惑をおかけしました。お詫びはどうかお昼ご飯で許してやって」

「ちょっと待って下さいよ!おれ確かに見たんすから!この子と凪が自転車2人乗りしてんの!大スクープっすよ!」


杉浦くんが大声で叫ぶものだから、登校してきた周りの生徒の視線も浴びてしまった。


「報道部の血が騒ぐからってなんでもかんでも首を突っ込まない!分かった?」

「いや、でも俺は親友として凪のことを心配してて、それで...」


――ガタッ。


後ろから物音がし、咄嗟に振り返るといかにも寝起きで不機嫌な顔がそこにあった。


「朝からうるさい」

「凪!やっと来たのか!おい凪、おれに黙ってカノジョ作るとか、一体どういうことだよ?抜け駆けは無しっていったよな?」

「あのさ、兆はちゃんと最後まで人の話を聞け。夏目さん何も言ってないだろ」

「夏目さん?......あー、この子の名前!」

「名前さえも聞いてないのかよ...」


呆れた顔の志島くんに先輩とおぼしき女性が肩を叩く。


「杉浦は凪くんのこと大好きだからね~」

「困りますよ、ほんと」

「おい、凪!ちゃんと説明しろ!この子とはどういう......」


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