狙われてますっ!
 元彼女にも存在を気づかれないまま、父母は、ぼんやり野次馬に混ざって立っていたが。

 渡真利を見つけ、訊いてみた。

「あの……なんの騒ぎだったんですか?」

 だが、渡真利は深い溜息をもらして、ポン、と父母の肩を叩くと、周りの男たちに、

「……行くぞ」
と言って行ってしまった――。




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