竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~

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 クゥーンという悲しげな声でゆっくりと意識を覚醒させたミレイナは、重いまぶたを持ち上げる。目に入ったのは、異様な光景だった。

(何、ここ?)

 真っ暗闇の中、通気口と思しき小さな小窓から月明かりが差し込んでいる。ぼんやりと見える室内には、無数の生き物が蠢いていた。

(これは、魔獣?)

 暗い中でも白い毛並みは見えやすい。ミレイナのすぐ近くで悲しげに鳴いているのは、魔獣の子供に見えた。頭から一本の角が生えているので一角獣だろうか。まだ小さく、体のサイズはエミーユ達とほとんど変わらない。

[ねえ、大丈夫?]

 ミレイナは心配になり、その子に声をかけた。

[お外に出たいよう]

 泣きそうな声で、一角獣が答える。

[ここはどこなの? なんで、ここにいるの?]
[わかんないよ。足をバチンってやられて、気付いたらここにいたのだもの]

 一角獣はまたさめざめと泣き出す。
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