竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
 最近になってシェット、イレーコ、エミーユ、ラトは以前にも増して従獣として活動することが増えてきた。先日は、イレーコが逃走していた窃盗犯の追跡で大活躍した。
 このちびっ子魔獣達は皆、竜人と共に活躍する従獣になることに憧れているのだ。

[シェット、ありがとう]
[これくらい、任せろ]

 お礼を言うミレイナに、シェットは得意げに答える。

(なんだか、急にお兄ちゃんになってきたなあ)

 自分より小さな魔獣達が沢山魔獣舎に仲間入りしたせいか、はたまた従獣としての訓練を受けるようになって本人達の意識が変わってきたせいか、最近シェット、イレーコ、エミーユ、ラトの四匹は急に大人っぽくなった。
 いつの間にか体の大きさも一メートル弱まで大きくなっている。成獣になれば二メートルを超すのでまだまだ成長途中ではあるが、それでもかなりの大きさだった。

(初めて会ったときはまだ柴犬くらいのサイズしかなかったのになぁ)

 ミレイナは初めて魔獣係としてここにやって来た日のことを、昨日のことのように思い出す。

(やんちゃで可愛らしい子フェンリルだったのになあ)

 ちびっ子魔獣達は一瞬こそ注意されてしゅんとしていたが、すぐに気を取り直し、今度はシェットの元に歩み寄る。

[ねえ、シェット遊んでよ]
[遊んで、遊んで]

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