片桐兄妹の言うことにゃ

その言葉に眉を顰める。

「どこの誰かも分からないひとを?」
「いや、お前の高校の制服着てたぞ」

藍の横からその姿をみるが、着てるのは見たことのあるダサTと見たことのあるスウェットパンツ。

「お兄ちゃんのダサい服着てる」
「ダサいは余計だけど、確かに今は着てない」
「てゆーか、同じ高校だからって知ってるわけないじゃん」
「それもそうか。千治(ちはる)、コーヒーいるか?」

こちらの話を飛び越えて、藍は男の方へ質問を投げた。千治と呼ばれた男は手を挙げて肯定する。

「お前は?」
「いらない」

燐は即答した。

< 4 / 91 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop