突然ですが、イケメンアイドルの妹になることになりました!①
「え、そんなこと言ってないよ。なぁ、杏奈。」


有はさらりとそれを交わした。


「ん…でもさ、なんかあんた違うのよね。」


及川さんは、じっと私の顔を覗き込む。


色々バレて、仮面がとれたのか
こちらが素なのか口調も変わっている。


「それにあんたさ!今はもう一人の方の可愛い系の子が好きでしょ!」


「そ、そんなこと…。」


その的確な鋭さにうまい反論の言葉が
出てこない。


「前はさ…もっと、木村君が好き好きっていうのが滲み出ていたのに…。」


有を好きでよく見ていたからだろうか。

及川さんの指摘は正しい。

私が本当に杏奈さんなら
もっと有のこと見てるはずだ…。


今の私はきっと
純大でいっぱい。


「心変わりすることも…あるだろ。好きなんて気持ちは永遠じゃないんだから。」


有はそう言うと
先に出て行ってしまった。
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