蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~


 奥まで柚瑠木さんを受け入れた衝撃で、私は思わず柚瑠木(ゆるぎ)さんの背に爪を立ててしまいました。小さな柚瑠木さんの声を聴いて謝ろうとしたけれど、彼は優しく微笑んでくれて……

「やっと……僕ら、一つになれましたね」

 その言葉が嬉しくて私は何度も頷いてみせました。苦しくても彼を受け入れることが出来てこんなに幸せなんだと伝えたくて。

「大好きです、柚瑠木さん。愛しているんですっ……!」

「僕も愛しています、月菜(つきな)さんだけ」

 ずっと動かないままでいてくれた柚瑠木さんが、ゆっくりと動き出します。慣れない私の為に優しくこの身体がもう一度快感を拾うまで丁寧に。

「優しくしなくていいの……もっと思いきり私を愛してください」

「ああ、もうっ!」

 冷静な柚瑠木(ゆるぎ)さんが珍しく怒ったのかと思って心配になれば、今度は彼の本能に任せたような激しい動きに翻弄されることになって……
 さっきまでは私の身体を気遣っていたのに、別人のようにこの身体を揺らすんです。

「あ、はんっ……ゆるぎさ、ん!」

 もう自分が何を言っているのかも、彼にどんな嬌態を見せてるのかも分からない。だけど彼を抱きしめるこの腕だけは離したくなくて。

「……はっ、月菜さんっ……」
 
 私の名を読んで柚瑠木さんはこの身体の奥深くに、その欲望を放ったのでした。 
 私達はそのままとても濃厚な二人の時間を過ごし、素肌で抱き合って眠りにつくことが出来たんです。
 こうして迎える次の朝日はきっといつもと違って見えるはずだと、二人の新しい未来を思い描きながら……


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