甘溺愛婚 ~性悪お嬢様は契約婚で俺様御曹司に溺愛される~


 しかし……たった数日の間に、いったいどうしてこんな事になったのかしらね。

 二人だけの短いお見合いの後、聖壱さんが送った写真を見た叔父や両親は大喜びで……あれよあれよというに私たちの結婚が決まったの。
 私達の気が変わらないうちに入籍だけでも、と書かされ提出した婚姻届け。結婚式は大規模になるためこれから決めていくことになった。
 入籍が済んでも結婚式まで別居でもいいのではないかと話したんだけど、周りに大反対されて……

 結局こうして今日から二人で一緒に暮らすことになったのよ。

 聖壱さんに連れられてレジデンスの中へ。
 レジデンスの中もとても綺麗で華やか。床だってびかぴかに磨き上げられているし、24時間対応のコンシェルジュはきっちり礼儀正しい。

「聖壱さんはずっとレジデンスに住んでいらしたんですか?」

「いや、香津美との結婚のために用意した。新婚生活なんだ、少しくらい華やかな場所の方がいいだろう?オフィスにも近くなるしな。」

 もしかして私のため……な訳ないわよね?きっと相手が私でなくても聖壱さんはこの場所を選んだはず。それにしてもこのレジデンスは一戸数億円って聞いたような気がするのだけど……
 お金持ちのお金の使い方はよく分からないわね、私もお嬢様だったんだけどやはり違いがありすぎる。

「ボーとしてないで中に入れ。」

 聖壱さんに呼ばれて考え事を止めて、私たちの新居となる部屋の中に入る。




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