彼氏君と秘密

緊張と焦りと驚きで何も言えず、また動けずにもいる私。

いつも無口なのによく喋ってるなー、とぼんやりと考えていた。


「ちょっと来て。」


殿下が私の顔から手をおろして次は私の手を引く。

二人が向かった先はさっき殿下がいた家庭科室。

ここで私が手を離せとか、行きたくないとか言ったら、きっと殿下は聞いてくれる。

それをわかってて言わない私は、どこか期待しているんだ。

殿下と何かが起こることを。
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