SNSストーカー
それでも愛ちゃんはどこにもいない。


あれだけ俺の心を掴んだ愛ちゃんは、俺に一言の相談もなしに俺の前から姿を消してしまったのだ!


思い出すと怒りがわいてきて、俺はポスターの一枚を右手で破り捨てた。


荒い呼吸を繰り返し、他のポスターも睨みつける。


1度あふれ出した感情を制御することは難しい。


俺は次から次へと愛ちゃんのポスターを破り捨てて行った。


今まで手放すことができなかったものだけれど、もう大丈夫だ。


だって俺はもう1人の愛ちゃんを見つけたから。


なっちゃんという、天使を見つけることができたから。


「さようなら、愛ちゃん」


俺はそう呟いて、最後のポスターを破り捨てたのだった。
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