SNSストーカー
「さぁ、明日は仕事だ。そろそろ帰ろう」


お父さんにそう言われるまで、時間の感覚がなくなっていたくらいだ。


「うん。そうだね」


大満足のあたしは大きくうなづき、2人の間に割って入って歩き出す。


友達に見られたらちょっと恥ずかしい光景だけれど、ここにいれば気にならなかった。


車に戻ってもまだあたしの興奮を覚めなくて、そのままインツタに写真を上げた。


今日1日で一番素敵に取れた写真。


3人と、この遊園地のキャラクターと一緒に撮影したものだ。


もちろん、両親の顔はぼかして投稿する。


《その遊園地、行ったことがあります!》


途端に送られてきたコメントにビックリして瞬きをする。


ハンドルネームはジュンだ。


「またこの子?」


不振に感じながらも、偶然同じタイミングでインツタを開いたのだろうと思った。


あたしは大して気にかけず、スマホをバッグにしまったのだった。
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