SNSストーカー
こんな会話を聞かれたら、恥ずかしくて顔を合わせられなくなってしまう。


「本当に、夏美も裕也君も初々しいんだから」


彩はまるでお姉さんのようなことを言い始めた。


3人の中で一番大人っぽいのは確かに彩だけど、恋愛遍歴について聞いたことがないことに気がついた。


あたしは一瞬心と目配せをした。


「彩の相手はどんな人?」


「恋愛経験多そうだよね。何人と付き合ったの?」


「どうやって両思いになるの?」


一気にまくしたてて質問するあたしと心に彩は瞬きを繰り返した。


まさか質問が自分の身にふりかかるとは思っていなかったみたいだ。


「べ、別にあたしの恋愛経験なんてどうでもいいでしょう」


彩は慌ててそっぽを向いてお弁当を食べ始めた。


ごまかそうとするということは、それなりに経験しているということだ。


「いいじゃん、ちょっとくらい教えてよー!」


「そうだよ、友達でしょー!?」


心とあたしに詰め寄られて、彩は慌てて教室から逃げ出したのだった。
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