SNSストーカー
「そっか。優しい友達だな」


「まぁ、そうなんだけどね」


変に突っ走ってしまうところがたまに傷な友達だ。


今もきっと、2人でいろいろな妄想を膨らませてこちらへ向かっていることだろう。


「付き合ってるのとか、聞かれそう」


「そっか。いいじゃん別に、付き合ってるって答えたら」


裕也の言葉にあたしは目を見開いた。


裕也はなんでもない表情を浮かべながらも、耳まで真っ赤になっている。


あたしの心臓はドクドクと早鐘を打っている。


こんな状況なのに裕也のことが好きだと確認するなんて、思ってもいない展開だ。


「そ……そうだね。それも、いいかもしれないね」


ぎこちなく返事をすると、今度は裕也が驚いたように目を見開く番だった。


そして、あたしたちは互いに笑いあった。


この時だけは、ストーカーの恐怖を忘れることができていたのだった。
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