政略夫婦の懐妊一夜~身ごもったら御曹司に愛し尽くされました~

パジャマのズボンを脱がされ、台に座って足を開かされる。いつもと同じ内診なのに、重苦しい痛みが襲ってくる。

「えっ、い、痛たたっ………」

先生の指が子宮口に触れたとき、これまでとは違う予想以上の痛みが走った。

「あーーっ……い、痛いっ」

先生は「ごめんねー」と言うだけで止めず、ようやく終わるとジンジンと痺れていた。

「子宮口が三センチ開いています。来週まで張り止めで抑えて様子を見る予定でしたかが……財前さんの赤ちゃんは十分に育っていますので、どうしますか? このまま今日産みます?」

「え」

そんなの自分で選べるの? と頭がこんがらがったまま、私は「夫に聞いてみます」と意味不明の回答をし、内診室を出た。

通路で待っていた夏樹に、先生は「まだ時間がかかりますが、このままだと今日明日、産まれそうです」と告げる。

夏樹はすかさず「問題ないんですか?」と質問し、先生は「早産にはなりますが、赤ちゃんは育っているので問題ないですよ」と答えた。
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