◇君恋◇

デート




「…ろ…ぃ」

「ん…?」



誰かの声がする。



『起きろ明…』



「あっ!」



ようやくその声が龍也であることに気づき私は飛び起きた。



「イタッ!…」



それと共にきた腰の激痛…

さすがに酷すぎる。



「大丈夫か?」

「うん…大丈夫…」

「そうか…無理するな…」

「ありがとう」



朝から優しい龍也に私は少し嬉しさを覚えた。

でも昨日の今日…

なかなか顔を直視できない。



だって見るたびに昨日のことが頭に蘇って…



「顔赤いぞ?」

「え!いやっ…何でもない!」

「そうか…てか遅いけどおはよう」



チュッ



あ、朝からキスですか?!

なんか外国で生活してるみたい(笑)



「ほら、朝食の時間だぞ…着替えろ。俺は先に行ってる」

「う、うん!」



部屋の時計を見るとちょうど8時だった。



そうか今日は休みだもんね…



私は急いで私服に私服に着替えた。

初めて龍也の前で私服…

別に家にいるだけだけど、やっぱりいつもの部屋着はまずいと思い、ちゃんとした私服に着替えた。

龍也も私服だったしね。



朝ちらっと見た龍也の服を思い出す。



「それより行かなくちゃ!」



私は部屋を出て階段を駆け下りた。





< 87 / 131 >

この作品をシェア

pagetop