死にたがりな君と、恋をはじめる



「私、レイのおかげですごい幸せなんだぁ……」






『……そっか』












「だから……ね。私、レイの事……だいすきだよ……」















『……』
















奈月の無邪気な言葉に、ついに返事もできなくなる。














奈月は言うだけ言って眠ってしまって、俺は小さく呟いた。











『ありがとう……か』














そして、ふ、と笑ってしまう。












笑えるな。自分が利用されているとも知らずに。









それから俺はベッドから腰を上げて、床に座る。






顔を上げてみると、照明が煌々と光っていて、あまりの眩しさに目を細めた。












電気を消すと、奈月の頬にまつげの長い影が落ちた。














……いいよ。奈月は何も知らなくて。












その無邪気な笑顔を俺にいつまでも向けていれば。

















……その笑顔を見る事で、俺の心臓が鈍く痛み出すことなんて。












知らないふりだ。






< 136 / 136 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

島津くんしっかりしてください
3sora/著

総文字数/193,246

恋愛(純愛)372ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
クールな現実主義女子 真見誠(Sanemi Makoto) ✖ 一途な不器用系男子 島津陽平(Shimazu Youhei) 「俺、ずっと片思いしている相手がいて……」 「真見さん、協力してくれない⁉」 ……あぁ、絶対この人を好きならないようにしよう。 いつか傷つくことになると、わかってしまうから。 まっすぐに努力する君は眩しくて、私とは違うから。 ……それなのに。 どうして、こんなにも心がざわつくんだろう。 どうしてこんなにも…… 君から目を離せないんだろう。 「(……あーあ。私は一生恋なんてできないって、 そう思ってたんだけどな……)」 私は君が好きな人を見る時の、 澄んだ瞳が好きだった。
君と旅の途中
3sora/著

総文字数/61,369

恋愛(純愛)124ページ

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop