死にたがりな君と、恋をはじめる

体育館、プール、音楽室、その他諸々。





あぁ、そうそう。トイレも見ておかないと。



ここでは、色々なことをされたし。





トイレの個室に閉じ込められて、水をかけられたり。


お気に入りのキーホルダーをトイレに流されたこともあったっけ。






学校の思い出深い場所の一つだ。








最後に立ち寄ったのは、教室。





自分の席に腰掛け、机に顔を伏せた。





そして、ご丁寧に黒い油性ペンで書かれた落書きを指でなぞった。






『キモイ、死ね、消えろ』




そんな言葉の数々に傷つくこともなく、ふっと口に微笑みを浮かべた。







いいよ、死んであげるよ。



そして、もう二度とあなた達の前に姿を現すことはない。






そうすれば満足でしょう?







最後に学校を見回ったけど、


どこもまぁ、嫌な思い出ばかりで、かえって決意が固まった。





こんな世界に未練なんてない、そんな気持ちが膨らんで、私は屋上へ戻った。






ここまで来て、やめてたまるか。



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