幽霊でも君を愛する
第十四章 〈灯籠〉と〈提灯〉
「〈灯籠〉??」

「そう、昨晩も話したよね。「霊にも色々種類がある」って。これは私が独自につけた名称でし
 かないけど、現実世界にある程度干渉できる霊の事を、私は〈灯籠〉と呼んでいる。」

「・・・でも何でそんな名前なの?」

「さぁ、もうかなり昔の事だからね。何かの小説に出ていた単語である・・・という事だけは覚
 えているんだけど。」

私は両肘をテーブルに乗せて手を組んだ、改めて牡丹が作ってくれた、マシュマロ入りの熱々ココアを堪能しながら。
そんな私の目の前で、ハナちゃんは沢山の『?』を大量に浮かばせていた。多分今のユキちゃんは、私の話を必死になって理解しようと、頭の中で必死になって引き出しを整理整頓している様子だ。
ただ、私の話も間違っているとも言い難いし、合っているとも言い難い。どれもこれも、私の勝手な決めつけに過ぎない。
ユキちゃん自身も、自分自身で色々と試しては、失敗と研究を繰り返していたんだとか。個人の霊がここまで探究心を持って行動できるのにも驚いた。
霊の中にも、自分の身に起こった事が分からず、生前のように行動してしまう個体も多い。ユキちゃんも最初はその一人だったけど、途中からようやく身に起こっている異変に気づけたんだとか。
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