雨上がりの空を見上げたら

「え、何、アイツ好きな人いるの?」

「ん?らしいよー!なんかね、昨日先輩が告白したら、本命がいるから、って断られたらしくて、」

『本命』その言葉に、私の胸がチクッと痛んだ。そうだよね、人気者だし、そりゃいるか…

なんで痛むのかって?実は、翔飛を振ったのは私…なんだけど、別に嫌いになったからとか、気が変わったから、とかではなくて、、、


翔飛と付き合っている期間、私の毎日は幸せそのものだった。

彼と話すだけでドキドキして、好きって言われるたびに胸がときめいて。

でも、当然、人気者の翔飛の彼女が、平凡な私だ、ということに納得がいかない人も多かったみたい。

翔飛のことが好きな子や、告白したのに振られてしまった子たちが、私に嫌がらせをしてくるようになった。

最初は、通りすがりに悪口を言われたり、物を隠されたり、本当に些細なことだった。

そんなのされたって、彼がいればそれでいいって我慢できた。

でも、平然としている私の態度が気に食わなかったのか、彼女たちの嫌がらせはどんどんエスカレートしていった。

毎日のように、下駄箱には、「死ね」とか「消えろ」など、存在自体が邪魔だ、と言われているようなメモが入っていたり、

わざと自分の教科書をゴミ箱に入れて、「宮崎さんにやられた」と嘘をつき、指導を受ける私を見てせせら笑ったり、
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