きみと色々ありそうな夏
それで、ついに先輩の彼女にしてもらえた。
先輩からキスをされた日には、私が世界中の人にキスをして回りたくなるほど幸せだった。
でも、先輩との恋人関係はわずか2カ月足らずで終わった。
付き合うまでも、付き合ってからも、宝物のように育ててきた恋だったのに……。
『別れて』
最後は紙で指を切るのと同じように、スパッとやられた。
私に原因があったのかもしれない。なにか先輩の心が離れることをしてしまったのかもしれない。ごはんも喉を通らなくて、思い悩んだ。
でも、知った。
先輩は、私以外にも彼女がいた。
「結局、私は二番目の女だったってことだよね」
仲睦まじく昼食を楽しんでいる先輩と彼女のことを見下ろす。私はまだこんなにも胸が痛いのに、先輩の頭の中から私の存在はもう消えている。
食中毒になって、お腹を下してしまえ。
なんて、幼稚な呪いを考えてる自分がキライ。