むすんで、ひらいて、恋をして
「それなら、明日は? 私、自慢しちゃったんだよねえ」



食い下がる鈴木由衣に、上谷がにっこりと笑って応える。



「悪い、卒業するまで俺の昼の予定、いっぱいだわ。あんたと昼飯食う日は、一生来ない」



あっさりと断って、上谷が教室を出て行った。



惚れるわ、上谷。



あそこまではっきり言えたらいいんだろうけど。



俺がそれをしない理由は、なんだ?



静まり返る教室で、立ち尽くす鈴木由衣。



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