むすんで、ひらいて、恋をして
泣きながらハンバーグを食ってたアリスを思い出す。



腕のなかで泣きじゃくっていたアリスの細い肩の感触が、まだ手のひらに残っている。



もし、アリスが誰かの隣で安心して笑ってられるなら、たとえそれが俺の隣じゃなかったとしても、今はそれを一番大事にしたい。



「何年たってもさ、俺はきっとアリスのことが好きだし、俺がアリスを想う気持ちは変わらない。けど、べつに、アリスが笑っててくれるなら、それでいい」



「なるほどな」



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